宅建試験に合格するためには、一体どれくらいの期間が必要なのか、気になっている方は多いはずです。ネットで検索すると「3ヶ月で合格した」「1ヶ月で十分」といった声もあれば、「6ヶ月(半年)は必要」という意見もあり、何が正解なのか迷ってしまいますよね。
特に初学者の方や独学で挑む方にとっては、勉強時間の見積もりが甘いと、試験直前に時間が足りなくなるリスクがあります。
この問題を解決するために、近年の試験傾向や実際のデータに基づいた、現実的で無理のない学習計画についてお話しします。
この記事で分かること
- 初学者が合格するために必要なリアルな勉強期間と時間
- ネット上の「短期合格」や「300時間説」に潜む落とし穴
- あなたの生活スタイルに合わせた3つの期間別学習プラン
- 令和7年度の結果から読み解く2026年試験の対策と予想
【結論】宅建合格に必要な期間の目安表
まず、結論からお伝えします。宅建合格に必要な期間は、あなたの現在の知識レベルと確保できる勉強時間によって大きく異なります。以下の表で、自分に当てはまるタイプを確認してください。
| 期間(目安) | 1日の勉強時間 | おすすめのタイプ | 難易度・リスク |
|---|---|---|---|
| 6ヶ月 (推奨) |
2時間 | 初学者・独学の方 社会人で忙しい方 |
確実(◎) 基礎から理解できる |
| 3ヶ月 | 4時間以上 | 学習経験がある方 予備校を利用する方 |
高い(△) 応用問題への対応力が落ちる |
| 1ヶ月 | 10時間以上 | 丸暗記が得意な方 今年どうしても受けたい方 |
超難関(✕) 運の要素も強くなる |
※初学者が独学で挑む場合、最も再現性が高いのは「6ヶ月(約600時間)」のプランです。以下、その理由を詳しく解説します。
宅建合格は何ヶ月必要?標準期間と勉強時間
これから勉強を始める方にとって、最も気になるのが「ゴールまでの距離」ですよね。ここでは、近年の試験難易度を考慮した標準的な勉強期間と、合格に必要な総学習時間について解説します。
初学者が合格するには6ヶ月や600時間が目安

結論から言うと、法律の学習経験がない初学者の場合、標準的な勉強期間は「6ヶ月」を見ておくのが最も無難です。時間数に換算すると、おおよそ400時間~600時間の確保が必要だと考えてください。
「えっ、ネットには300時間って書いてあったけど?」と思った方もいるかもしれません。確かに、多くの資格サイトでは「300時間~400時間」が一般的な目安とされています。しかし、これはあくまで「最低限必要なライン」や「効率的に学習できた場合」の数字であることが多いのです。
近年の宅建試験は、単なる暗記だけでは太刀打ちできない「理解力」を問う問題が増えています。専門用語の意味を一つひとつ理解し、過去問を解けるレベルまで持っていくには、初学者の場合、プラスアルファの時間を見ておく必要があります。
具体的にイメージしてみましょう。600時間という時間は、1日2時間の勉強を毎日欠かさず続けたとして、約300日、つまり10ヶ月かかる計算になります。これを6ヶ月でこなそうとすると、1日あたり3時間以上の学習が必要になる計算です。「意外とハードだな」と感じたのではないでしょうか。実は、これが宅建試験のリアルな姿なのです。
独学に必要な期間と300時間では足りない理由

ネット検索をしていると「宅建は300時間で受かる」「3ヶ月で余裕」といった景気の良い言葉を目にすることがあります。しかし、これを鵜呑みにして安易な計画を立てるのは非常に危険です。
確かに、法学部出身者や不動産実務の経験者、あるいは「試験勉強のプロ」のような要領の良い人であれば、300時間程度で合格できるケースもあります。しかし、独学の最大のリスクは、「疑問点の解消に時間がかかる」ことです。
スクールや通信講座であれば、講師に質問して疑問を即座に解決できますが、独学の場合はすべて自力で調べなければなりません。この「調べる時間」が積み重なると、勉強時間はあっという間に膨れ上がります。
さらに、近年の難化傾向を踏まえると、初学者が300時間で合格するのは、かなり効率的に学習できた場合に限られると認識しておきましょう。「自分は要領が良いから大丈夫」という過信は禁物です。
社会人の勉強時間は1日何時間を確保すべきか
働きながら合格を目指す社会人の場合、1日にどれだけの勉強時間を確保できるかが勝負の分かれ目になります。6ヶ月(約半年)の期間を設けるのであれば、1日あたり「2時間~3時間」の勉強が目安となります。
「「スキマ時間」の活用がカギとなります。
| 時間帯 | アクション | 時間 |
|---|---|---|
| 朝(出勤前) | 少し早起きして、昨日の復習や過去問を解く | 30分 |
| 通勤中(往復) | スマホアプリで一問一答を解く、音声講義を聴く | 60分 |
| 昼休み | 食事後にテキストを読み込む、暗記カードを見る | 20分 |
| 夜(帰宅後) | じっくりとテキスト理解や演習に取り組む | 60分 |
このように細切れの時間を積み重ねれば、机に向かう時間が夜の1時間だけでも、トータルで1日2時間半以上の勉強時間を確保できます。これなら、忙しい社会人でも十分に達成可能な数字ですよね。
2025年(令和7年)の結果から見る2026年(令和8年)の合格点予想

直近の試験結果を知ることは、敵を知る第一歩です。令和7年度(2025年)の試験結果は、合格点が33点、合格率が18.7%でした。
宅建試験には、合格点が高い年の翌年は難易度が上がって合格点が下がる、といった 「が見られることがよくあります。
2026年(令和8年)の予想としては、反動で問題が易しくなり合格点が上がる可能性もありますが、どの年であっても、目標とすべき安全圏は常に40点です 。
「ギリギリ合格」を狙うのではなく、「余裕合格」を目指すマインドセットを持ちましょう。
宅建は何ヶ月前から勉強すべき?期間別コース
ここでは、あなたの置かれている状況や、確保できる勉強時間に応じた3つのシミュレーションを紹介します。ご自身の性格やライフスタイルに合ったプランを選んでみてください。
① 6ヶ月コース:初学者が確実に合格する王道プラン

私が最も推奨する、再現性が高く確実なプランです。4月からスタートし、じっくりと腰を据えて合格を目指します。
「なぜそうなるのか」という理由付けをしっかり行える時間があるため、本番で見たことのない応用問題が出ても対応できる力が身につきます。
【序盤】4月~5月:基礎固め(権利関係・民法)
民法は「暗記」ではなく「理解」が命です。「なぜ法律はこういうルールになっているのか?」という背景を理解することに努めてください。
【中盤】6月~7月:得点源の確保(宅建業法・法令上の制限)
宅建業法は、合格者はほぼ満点(18点~20点)を取ってきます。法令上の制限は数字の暗記がメインです。
【終盤】8月~10月:実戦演習と総仕上げ
過去問(10年分以上)を何度も繰り返し解き、間違えた問題はテキストに戻って確認する反復作業を行います。
② 3ヶ月コース:短期集中で合格を目指す「ハードモード」

申し込みが始まる7月頃からスタートするパターンです。こちらは効率化が必須の「ハードモード」になります。
3ヶ月で合格するために「捨てるもの」
時間が限られているため、テキストを隅から隅まで読んでいる暇はありません。テキストは辞書代わりに使い、いきなり問題を解き始める「アウトプット先行型」に切り替えます。
ここで重要なのは「権利関係(民法)」の深入りを捨てる勇気です。出題頻度の高い「抵当権」や「意思表示」などのAランク(重要問題)のみを確実に押さえ、難問は潔く捨てます。
リスク: 応用問題への対応力が低くなるため、基本的な問題で取りこぼすと命取りになります。
③ 1ヶ月コース:例外的な「ギャンブル戦略」
9月から勉強を始めて合格を目指す。これは正直に言って、推奨できない「非常手段」です。
1ヶ月で受かるための極端な戦術
この期間では「理解」している時間はないため、「暗記」に特化します。
民法(権利関係)は「借地借家法」以外はほぼ勘で答える覚悟を持ちます。その分の時間を、配点の高い「宅建業法」と「法令上の制限」に全投入して満点を狙います。いわゆる「過去問のパターン認識」だけで戦う方法です。
これは「落ちて当たり前、受かればラッキー」という精神状態で挑む、賭けに近い戦略です。初学者には全くおすすめしません。
勉強効率を最大化する「過去問」の使い方
どんなに期間があっても、やり方を間違えると合格できません。
過去問は何年分をいつから解き始めるべきか
結論から言うと、「勉強初日から解き始める」のが正解です。テキストを一通り読み終わってからでは遅すぎます。
私が推奨しているのが 「サンドイッチ戦略」です。これは、以下のようにインプットとアウトプットを交互に繰り返す学習法です。
サンドイッチ戦略の進め方
- インプット:テキストの1単元(例:「意思表示」)を読む。
- アウトプット:その直後に、該当する分野別過去問を解く。
- 復習:間違えた箇所や解説を読み、再度テキストに戻って確認する。
これにより、知識が新鮮なうちに試験での問われ方を確認できます。
【序盤~中盤】分野別過去問題集(10年~12年分)
学習開始から一通りの範囲が終わるまでは、テキストの順番通りに並んでいる「分野別過去問題集」を使います。
最初は全く解けなくても焦る必要はありません。「どんな問題が出るのか」を知ることが目的なので、問題を解くというよりは「問題と解説を読む」ことから始めましょう。
これを10年~12年分、最低でも3周は回して、肢ごとの正誤判定ができるレベルを目指します。
【終盤】年度別過去問題集(直近10年分)
試験の1~2ヶ月前からは、本番形式の「年度別過去問題集」に切り替えます。
ここでは、時間を計って50問を解き切る練習を行います。2時間という制限時間の中で、どの問題に時間をかけ、どの問題を捨てるかという「時間配分」の感覚を養うためです。
解き方にもコツがあります。ただ漫然と解くのではなく、選択肢の一つひとつについて「なぜこれが正解なのか」「なぜこれは間違いなのか」を理由付けできるようにすることが重要です。
また、過去問を解く際には法改正に注意が必要です。必ず最新の法改正に対応した過去問題集を使用するか、法改正箇所の修正が入っている解説を確認するようにしてください。
直近の年度(例えば令和7年度や6年度)の問題は、最新の傾向を知る上で特に重要です。遅くとも試験の1ヶ月前には一度触れておくことをおすすめします。
試験の難易度や合格率の推移に関するデータ
最後に、客観的なデータを見ておきましょう。近年の合格率は15%~18%程度で推移しています。
- 令和7年度(2025):合格点33点 / 合格率18.7%
- 令和6年度(2024):合格点37点 / 合格率18.6%
数字だけ見ると「5人に1人くらい受かるなら、そんなに難しくないのでは?」と思えるかもしれません。しかし、この数字にはカラクリがあります。宅建試験の受験者の中には、会社の命令で嫌々受ける人や、ほとんど勉強せずに記念受験する人がかなりの割合で含まれています。
また、問題文の長文化や個数問題(正しいものはいくつあるか選ばせる問題)の増加など、試験自体が年々難化傾向にあることも見逃せません。昔のように「過去問の丸暗記」だけで通用する試験ではなくなってきており、確実な知識量と法的思考力が求められています。
正確な統計データや過去の推移については、試験実施団体である不動産適正取引推進機構の公式サイトで確認することができます。最新の情報を常にチェックし、正しい現状認識を持つことが合格への第一歩です。
長期間の学習を挫折せずに続けるメンタル管理
6ヶ月という期間は、モチベーションを維持するには長い道のりです。途中で「もう無理かも」と心が折れそうになった時、以下の工夫を取り入れてみてください。
「やる気が出ない日」の1分ルール
どうしても勉強する気が起きない日は、「とりあえずテキストを開く」ことだけを目標にしてください。1分だけ眺めて、それでも無理ならやめてOKです。人間の脳は「作業興奮」といって、やり始めるとやる気が出る仕組みになっています。
記録をつけて「見える化」する
勉強時間や解いたページ数を手帳やアプリに記録しましょう。「これだけ積み上げてきた」という事実は、スランプ時の大きな心の支えになります。
宅建の勉強期間に関するよくある質問(FAQ)
最後に、受験生からよく寄せられる質問にお答えします。
- Q. 独学でも3ヶ月で合格できますか?
- A. 可能ですが、かなりハードルが高いです。予備校などのカリキュラムがある場合と異なり、独学は「調べる時間」がかかるため、同じ3ヶ月でも実質的な学習時間は短くなります。初学者の独学なら6ヶ月計画が安全です。
- Q. 1日1時間の勉強では合格できませんか?
- A. 1日1時間の場合、単純計算で600時間を確保するのに約1年半かかります。記憶の維持も難しくなるため、半年〜1年前からスタートし、休日に時間をまとめて確保するなどの工夫が必要です。
- Q. 民法などの権利関係は捨ててもいいですか?
- A. 完全に捨てるのはNGです。宅建業法だけで満点を取っても合格点には届きません。3ヶ月合格を目指す場合でも、頻出分野(借地借家法・抵当権など)は押さえておく必要があります。
まとめ:あなたに合った期間を選んでスタートしよう
ここまで、宅建合格に必要な期間や勉強法についてお話ししてきました。
最後に、あなたがどのコースを選ぶべきか、チェックリストで確認してみましょう。
✅法律知識ゼロ・忙しい社会人の方
→ 迷わず「6ヶ月コース(4月開始)」で、着実に合格をつかみましょう。
✅多少の知識あり・短期集中が得意な方
→「3ヶ月コース(7月開始)」で、効率重視の学習に切り替えましょう。
✅とにかく今年受けたい方
→ 「1ヶ月コース」という茨の道で、奇跡の逆転を狙いましょう。
この記事を書いた人
宅建のミカタ TAKU
行政書士・宅建士合格者。H26年度宅建試験では、多くの受験生が苦手とする「権利関係(民法)」で満点を達成。自身の経験に基づき、法律初心者でも効率よく合格できる「戦略的勉強法」や、民法を得点源に変えるノウハウを分かりやすく伝授します。あなたの努力を形にするベストパートナーとして合格まで導きます。




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